今回は、Gakkenで知られている株式会社学習研究社を分析して見ましょう。株式会社学習研究社は教育を中心とした日本の出版社で、学研教室という学習塾も経営しています。『中学コース』『科学と学習』等の教育雑誌、参考書、辞書、辞典等教育関係の出版を中心に発展した出版社です。学習雑誌は書店を通さず、小学校の教室で教師が集金し教師が配布するという販売システムをしていましたが、1971年日本消費者連盟の「学校を商売の場所にするな」という批判により廃止、配達員が直接家庭に届ける直販制をとって勢力を伸ばしました。かつては玩具事業も手がけていましたが、2006年3月に子会社「学研ステイフル」と、「学研トイズ」に分割・移管しています。2004年7月には子会社の「立風書房」(りっぷうしょぼう)を吸収合併しました。また、2005年秋にはかつて子会社であった学研クレジットを、MBOでNIFベンチャーズ系の投資会社に売却しました。
まずは、資産効率の指標を見てみましょう。
売上債権回転期間が14.42から3.77へと正常化しています。
次は、成長性の指標を見てみましょう。
成長性が急激にダウンしてきていることに気づかれるはずです。営業効率が非常に悪化してきているため、リストラを行っているのでしょう。
安全性、流動性を良くして営業効率、成長性の悪化を補う戦略です。抜本的な対策ではありませんが一応の評価できると思います。
まとめ
企業力を下げている会社が、リストラでしのぎ、資金を得て次の手を打つ手順が見てとれます。企業は順風のときばかりではありません。他社事例は自社の経営計画のシミュレーションと考え、ウオッチします。
SPLENDID21NEWS第28号【2008年3月15日発行】をA3用紙でご覧になりたい方は下記をクリックしてください。